紅茶の頭に「和」と付いていると、どんなものに合うのか知りたくなりますね。
「何に合わせたらいいの?」と尋ねられることがありますが、あまり深く考えず、逆に何とでも一緒に合わせてみて、自分がおいしいと思ったもの、驚きを感じたものを大事にするのがいいかと思います。
チョコレートや、バターの香り高い洋菓子。和菓子にもよく合います。
「シチューがこれまでで一番おいしく食べられた」
という声も頂いたことがあります。
本当に、人それぞれですね。
「ペアリング」という言葉があります。
人の味覚は、香りを感じる順番から風味を感じる舌の箇所など、科学的にわかるところもあり、突き詰めていくと面白そうですね。
ペアリングに興味を持つことの一番の効能を考えてみると、
「自分の味覚に集中できる」
ということに尽きると思います。
和紅茶のような繊細な風味のものと合わせる時には、より一層五感に集中して、自分の好みを探っていけるような気がします。
ペアリングをしていると、自分の感覚を認めようという気持ちが上がってきます。
「これが好きだから、好き」という絶対的な自信を、こういった小さなところから持つことで、人生の幸福度が上がっていく…と言っても大袈裟でないと思います。
私が最初に和紅茶の奥深さに驚いたのは、シンプルなサラダと合わせた時でした。
サラダは使っている野菜の素材感がよく出ますが、こういったものと和紅茶の奥深い風味が不思議とよく合うのです。
口の中で、どちらの味も打ち消さず、おいしさを引き出し合っているというような…。
これまでサラダに合わせる飲み物など考えたこともなかったので、自分だけの発見ができたようで嬉しくなりました。
和紅茶を飲む人の数だけ、こういった「その人らしいペアリング」が増えていけばいいなと思っています。
そしてペアリングが何より嬉しいのは、自分が好きだと感じるものを、他の人にも共感してもらえる瞬間。
ぜひ、大事な人とコミュニケーションをとる時間にしてみてください。